家と仕事の往復しかしていないので、結局読書日記みたいになってしまう日々。

3/23
暖房をタイマー設定にしてたらさすがに暑かった。寝起きのぼんやりしたまま顔面のできものを引っ掻いてしまい、まあまあな血が出る。あらゆるところから出血している人生。
雨上がりのしっとりした空気を感じつつ駅まで行く。脇目に見る桜はまだ咲いてはいなさそう。今朝は鼻炎がひどく、電車に乗ってからもズルズルしていて辛い。20分ほどでようやく治ってきたところで『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の続きを読もうとしたが、あっという間に着いてしまってさほど読めず。とりあえず宇宙人をロッキーと名付けていた。何言ってるのかは分からないからセリフが「♪♪♩」みたいに表現されているのがかわいい。
3/24
仕事であちこち行きつつ、隙間時間で難波優輝 『なぜ人は締め切りを守れないのか』(堀之内出版)を読んだりする。締め切りという目的に人が隷属させられているみたいな状態への批判で、國分功一郎さんの本や対談を読んでいると馴染みのあるテーマ。帯の推薦も千葉雅也さんだし。
お昼、パンを食べるため公園に行ったらお花見客でめっちゃごった返していた。都市部の公園は平日でもこれだけ人が来るんだなぁ。
仕事終わりブックオフへ寄り、プロジェクターを買うか否かで小一時間悩む。あったら絶対楽しい。でもプロジェクターってすんごい高いんだな……。10年以上前のものでも数万するなんて。
調べていてもスペックの違いがよくわからないので一旦保留。
3/25
いつも通り昼前に起きる。雨の音が聞こえる。
ご飯を食べてから軽く掃除。これを毎週やっていられたら埃が積もらなくて済むんだけどなあ。
ちょっと離れたハードオフにも行って、プロジェクターを探してみる。あんまり置いてない。やはりビジネス機器だからあまり出回らないのか? 中華の安いものとかもほとんどない。買う人が少ないのだろうか。
4時ぐらいから9時ぐらいまでがっつり寝た。
3/26
昨日の昼寝のせいで2時ぐらいまで寝られなかったが、それでもトータルで見たら10時間ぐらい寝てることになるので、起きたとき眠くなくって素晴らしかった。やはり睡眠が足りてないんだな。基本的にロングスリーパーなのかもしれない。
『なぜ人は締め切りを守れないのか』の続きを読んでいく。第二章では締め切りを発生させるものとしての「プロジェクト」批判があり、第三章ではしばしば〈いい時間〉として語られがちな「物語」批判がある。新書の方ともリンクしているということか。
3/27
発売時に買ったものの、その分厚さと濃さに慄いて詰んでいた『季刊 日記』を読み始めた。25人の1週間分の日記+日記エッセイ+日記論がまとまった文芸誌。今、文芸誌が熱い。
安達茉莉子さんの日記は小慣れてる感じ。たとえばこんな一節。
星合は天の川という感じで、華やかだった。スパークリングとかではない意味でのスパークル感があった。新海誠の映画の曲みたいだ(?)。運命だとか未来とか。
(日記屋月日編『季刊日記 創刊号』P21)
純米吟醸酒「星合」のテイスティング感想だが、この畳み掛ける感じ。後半は普通の(個人的な)日記だったらあまり書かないだろう。やはり見せる文章を書いている人にしか書けない味わいがあり、それが「読むに耐えうる日記」の必要条件なのだろう。売る日記に必要なのはサービス精神だ。
伊藤亜和さんの日記はインパクトの強い冒頭から始まり、割と赤裸々に綴られている。フリーランスの大変さが滲み出ている……。「ベッドに長く入る者だけが猫に愛されるのだ」(P26)という格言も。
猪瀬浩平さんは『野生のしっそう』の著者の文化人類学者。たぶんそちらの著書を読んでいないと分からない話も出てきているのだが、あくまで日記として特に説明せず書く潔さが良い。あと教授としてのお仕事が垣間見えるのが面白い。職業系日記は読んでて楽しい。
考えてみると46歳の自分にとって、性格診断に頼らなくてもこれまでの人生経験で何者であるか、何者でないか、そして自分自身がどこまでわかっていてわかっていないのかがわかっており、そして何者でもなくてもいいやとおもっているところがあり、こういう診断で学生たちほど真剣にならなくていいということを思う。
(P32)
めちゃくちゃ不惑だ。早くこれになりたい。
小沼理さんも日記のプロ(?)なのでスタイルが出来上がっていて安定感がある。固有名詞はあまり説明しないタイプ。美大の課題でZINE制作を出す話が面白そう。
社会にちゃんと向き合っている強さ、みたいなものが感じられる日記。
収録されているのは全て2025年7月1日〜7日の日記なのだけれど、何人かが例の「人類滅亡」について触れていて、そういえばあったな〜と懐かしくなる。
3/28
電車が死ぬほど混んでてF1め…と思ったが、駅を過ぎても混んでるので???と思ったら、アイドルフェスだのライブだのイベントてんこ盛りの日らしい。なぜこんなに被っているのか…。
更地郊『粉瘤息子都落ち択』(集英社)を読み始める。Xを見てて知った作品。昨年のすばる文学賞。
パワハラやら何やらでメンタルをやられて引きこもり生活をしていた「俺」こと野中は、大学時代の友人・忍から「ストリートファイター6の対戦をすると月10万」という謎めいたバイトを持ちかけられる。怪しみながらも提案に乗り、生活リズムも整い始めたタイミングで野中は地元・大分へ「都落ち」することを考え始めるが…。
タイトルからして既に滲み出ているが、文体の軽さが独特。SNS文芸みがある。内容には特に関係ないが「文学フリマ」の単語が出てくる小説をはじめて読んだ。
東京で培うべき人間性やら内面化すべき価値観や可能性は、ぜんぶ波動拳コマンドに化けてしまったのか。だとしたら、俺が撃った波動拳は、一体何に当たったのか
(更地郊『粉瘤息子都落ち択』(集英社) P35)
こういう抑えつつも軽い文体。
夜、ギター練習。今度は青葉市子を練習していて、「いきのこり●ぼくら」なんか弾けたら楽しいなぁとやる。Aメロは行ける。イントロとBとキメの部分がまだ難しい。
3/29
読書会で話すために朝から「粉瘤息子」の続きを読む。都落ちの日が迫るなか、忍が鍛えている理由が明かされる。
すると不思議でさ、もうやることないのに急かされている感じが湧くことがあんの。急き立てられんの、なにかに。それが風船が膨らんでいって、その逃げ場もない。内圧だけが高まる感じ。だからその内圧を下げるための、逃げつづける作業が始まんの。
(P98)
なるほど、表紙の風船は粉瘤のメタファーだけではなかったのか。
そこから忍の風船が爆発して青春らしい言い合いがあったりしつつ。しかしなーんか現実味薄く感じるなぁ〜と思っていたら、その後に語られた野中のパワハラメンブレ退職の真実がそれを上回る訳のわからなさで「うせやろ!?」となる。一気に力が抜けた。
忍の事情といいリアリティなんて初めから置き去っていて(でも細かい部分は妙にリアルだったりしつつ)、このグルーブにノれるかどうか、みたいな作品だと思う。
いつも夜にある読書会は、主宰者が超絶繁忙期なのでこの時期だけお昼に。帰りが遅くならないのでこれはこれで良い。
いつもより人数も少なくて、脱線に脱線を重ねつつたくさんお話しできてみんな楽しそうだった。少女漫画から関西弁における「ノリとツッコミ」の話になったり、日記本の話からもはや飽和してしまっているエッセイジャンルの今後について侃侃諤諤したり。
あとはやっぱり本の値上がりの話は影響大なので、ずーんとした気分に。しばらくは新刊は控えめに(欲しくなるのであまり情報も見ず)、積読消化に努めるという方もいた。それでも期を逃せば二度と手に入らなさそうな海外文学(文庫化しないような)は買っちゃうよね〜とか。
あと、読書会で自分がオモロいと思っている部分をその熱量で伝えるのってめっちゃ難しいなと実感した。例えばこの一文が…みたいなのを抜粋して音読してもなんか逆効果なような。どう表現するのが良いのだろうか。
帰り道、バイパスの交差点の信号がやったら詰まってるなぁと思ったら、ど真ん中で普通に事故が発生していた。最近やたら衝突事故現場に遭遇するなぁ。ご安全にだよほんと。
帰ってからはいつもの通りギター練習。コード弾きは割と安定してきている。カネコアヤノの「気分」をまあまあ弾けそうな感じで楽しい。



