別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

文化的休日

本日日曜日、とても文化的な1日を過ごせたので記録しておきたい。
まず午前中は舞台を見に行った。地元のローカル劇団によるローカル文化施設での舞台だが、午前の部でも結構人が集まっていた。やはり地方にしては演劇文化がそこそこ盛り上がっている土地柄なのかもしれない。(ただつい最近SNSで指摘されていたように、作り手にも観客にも若い人は少なめだった。そもそも若者がいないということもあるだろうが……)

劇の内容は「詐欺」という社会派なテーマだったが、程よくコメディタッチで受け取りやすい作品だった。一方で色々と緊張感のある場面も。やはり舞台上に出てくると場が締まるような、貫禄のある役者さんの存在はすごいなと思う。
ちなみにこの作品にはお知り合いも出演していたわけだが、日頃とは違うオーラを纏ったその人を見るのは新鮮で、やっぱり役者さんだなあと感じ入っていた。

以前にもどこかで書いたような気がするのだが、自分は「演じる」ということに色々と複雑な思いがある。役者は役を演じている。すなわち役者≠演じるキャラクターである。しかし、役者自身を知らずに劇を見る人からすれば、役者とキャラクターは限りなくイコールに近くなる。もちろんそんなことを承知の上でみんな劇や映画を見ているのだとは思うのだが、自分はここの距離感がうまいこと飲み込めないでいる。
例えば、日頃の生活の中で「いい人を演じる」とか「できる人を演じる」とか、皆何かしら多少は自分を演出しているかもしれない。それは社会を円滑に運営するために必要なことなのかもしれないが、よくよく考えてみるとちょっと怖くなってしまう。
そんなふうに感じるのは、自分が「自分という固定されたものから抜け出したい」という思いと、「自分が自分でなくなってしまうのは怖い」という思いの板挟みになっているからかもしれない。
演じる人を見るとき、あるいは知っている誰かがまるで知らない誰かのように見える瞬間。ゾワゾワとした感覚が肌の上を滑ってゆく。

劇が終わったあと、劇場の入り口は役者さんと盛り上がる観客たちでごった返していた。こういうとき積極的に行けない自分にしょんぼり。でも口下手な自分の場合、その場で考えた薄っぺらい感想を伝えるぐらいなら、一ヶ月練ったクソ長お手紙を送りつける方がいいんじゃないか?とも思う(重い)。
せっかくなら誰か誘って喫茶店で感想を話し合ったりしたかったものだが、自分のコミュ力では無理だし、家にはご飯が有り余っていたのでやむなく帰りました。


Beatles4時間弱耐久戦線の記録

さて、家に帰って一眠りした後にはいよいよアレが控えていた。「ビートルズの赤盤青盤(2023MIX)を通しで聴く会」というクレイジーな集いである。
日頃ビートルズ好きを公言している(割には曲名や歌詞やメンバーの逸話などは全然知らない)一人としては、行かない選択肢はない。行った。

さすがにこのハードな集いは人数も少ないかなあと思ったら、次から次へと入れ替えに人が集まって、やっぱりビートルズはすごいなあと思いました。本当にあらゆる方面に影響を与えているので、元を辿るとどこかで出会えるビートルズ。そりゃあ2023年になっても新曲が出るわけです。
この会についてはちゃんと書いたら原稿用紙20枚を優に超えてしまう一大スペクタクルだったので、個人的に面白い・興味深いなと思ったところだけピックアップします。

赤盤

  • リミックスで聞こえなかった音が聞こえるように。特に初期の低音がすごい
  • 以前の盤では収録されてなかったカバー曲が追加された
  • Love Me Doの拍が変わるやつ(→ Anthorogy1に収録のピート・ベストがドラムを演奏しているテイク)

https://youtu.be/e3Oc67FdcpY?si=pu5CLbb4F73mBqkP

  • I Saw Her Standing Thereの歌詞(→「She'd Never Been a Beauty Queen」よりは絶対「You Know What I Mean」の方がいい)

https://youtu.be/gDI3e_YNfug?si=4e1paCbbAizm9uyQ

  • 赤盤の最初はめちゃくちゃベストヒットパレード
  • This Boyの元邦題「「「こいつ」」」 (→映画「A Hard Day's Night」で河川敷をブラブラするリンゴのBGM)
  • オープニングで走る映画は名作
  • All My Lovingのウォーキングベースめっちゃいい。コーラスの半音でクリシェするところが最高

https://youtu.be/9FAX1cSEC_s?si=WOmpPpgiSF9x2_Hg

  • You Really Got a Hold on Me こんな曲あった?→リマスターで追加曲。ジョン・ジョージボーカル めっちゃヨナ抜き音階
  • You Can't Do Thatめっちゃいい→ジョン曲。ソロもジョンらしい
  • I Feel Fine →このあたりから新しいことやろうとしてる感が強くなってくる。なぜかPVでリンゴがエアロバイク漕いでて可愛い。(よく見たらジョージもマイクじゃなくてパンチングボールに歌っててシュール。。。)

https://youtu.be/WrAV5EVI4tU?si=prvZbTgwIEe26Ewt

  • We Can Work It Out→これどうやってコーラスとバース繋がってるの? なんで帰って来れるの??
  • Girl →そう言われるともうその音にしか聞こえない
  • Paperback Writer →なぜか『全詩集』の訳では「ペーパーバック作家」。もうライターでええやろそれは。 この曲が「ライブでやったほぼ最後」 この辺りからサウンドがよりライン録りっぽい。ディストーションがかっこいい。
  • Eleanor Rigby→ よくこれシングルで出したよね。それで売れてるのもすごい。
  • Yellow Submarine →イエローサブマリン音頭はちゃんと許可とってるから公式
  • Got to Get You Into My Life →この辺りからブラスセクション登場
  • I'm Only Sleeping →ギター逆回転とかをやったのは多分このお兄さんらが最初
  • Here, There and Everywhere →「めっちゃ好き」「LINEのプロフをこの文章にしている」など
  • Tommorow Never Knows → ぶち上がりました

青盤

  • Strawberry Fields Forever →夕暮れのイメージ
  • Penny Lane →ペニーレインという映画(『あの頃ペニー・レインと』?)を見たけれど、特に関係なかった
  • Lucy in the Sky with Diamonds→完全にライブで手をゆらゆらさせるやつ(ドンっドンっドンっでぶち上がり)
  • Within You Without You →歌詞がめっちゃ哲学的 タブラいいよね カッって音
  • A Day in The Life → 最後のコードが「世界で最も美しいEメジャーコード」と呼ばれているとか ピアノだけじゃない? (ピアノ3台+ハーモニウムらしい
  • Hello, Goodbye →主催者さんはこの曲のリンゴが好きとのこと 抑えつつもなかなかいいオカズを入れてくるリンゴ。この後ノリの若干もたつくようなスネアの叩き方は真似しようとしてもなかなかできない
  • The Fool on The Hill → この曲こんなにSE的な音入ってたっけ?(ビヨヨ〜ンとかキュルキュルとか) リマスターでより鮮明に!

https://youtu.be/rtnAI1hgNyI?si=lcf4W41peqWpynBk

  • Magical Mystery Tour →ぶち上がる 後半でテンポ落として謎めいた終わり方するのほんと天才(ちなみに映像を見たことがないので、見たい)
  • Hey Jude → 一人でラーララーしてました
  • Back In The U.S.S.R. → ポールドラムうますぎんか?
  • Dear Prudence → (これもリンゴかと思っていた)
  • ホワイトアルバムだけを売ってるレコード屋」があるらしい。→現代アートの展示らしい 

http://www.emmon.me/wp/the-beatles%E3%80%8E%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0%E3%80%8F-%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7%E6%A7%8B%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%AC

  • 奈良にはビートルズのレコードだけを売るお店があるらしい(それで商売成り立ってるのすごい)


ホワイトアルバムの内側。美しい。。。

  • Black Bird → みんな弾けるようになりたい曲
  • Hey Bulldog → 収録されている『イエローサブマリン(アルバム)』は捨て曲集的な扱いらしいが普通にいい曲だし、こうして追加収録で注目を浴びるのは嬉しい ポールの犬の鳴き真似めっちゃうまい。生犬じゃないんですよ
  • Old Brown Shoe → この曲はちょっと浮いてる感ある ボーカルは宅録? (あえて歪ませてるらしい) これもポールドラムだった
  • Here Comes The Sun → ビートルズで最もストリーミングされている曲らしい(Spotify) Let It Beとかじゃないんだ
  • Come Together → 主催者さんはこのマイケルカバーからビートルズの世界に。

https://youtu.be/ubR9cXWkXv8?si=t3mv18L0Ea4LiDM1

  • Something →問答無用の神曲ビートルズで二番目にカバーされた曲らしい(一位はYesterday) ソロバックのベースがめっちゃいい(なぜかベースラインを歌うマニアックすぎる面々)


インドもええ曲やろ!

  • Octopus's Garden → 『全詩集』では「タコくん」、ライナーでは「タコさん」になっていた。ライナーの方が訳が優しい感じがする。読み聞かせできそう(したら誰か「ビートルズやん!」って気づくか?)
  • I Want You → 終わると思ったらまだ2分ぐらいある曲
  • Across The Universe → 詞が本当にすごい
  • The Long And Winding Road → 元々のバージョンではラストソング。この3、4曲で終わる感じがすごく切なくて良かったのだ。
  • Now And Then → ソロ、完全にジョージだと思っていた(ポール)

という感じで、結局出てきた話をほぼ拾ってしまったけれど大体こんな感じだった。みんなお菓子を頬張りながらじっくり聞いたりリズムに乗ったりしていて、めっちゃいい時間だった。個人的にベストで聞くことはほぼないので所々曲順に違和感を感じてしまうものの(Yesterday → Helpとか。Yesterdayの次はDizzy Miss Lizzyやろ!)、みんなでビートルズを共有できたことが何よりも楽しい。もっと解説を聞いたり歌詞を深掘りしたかったけれど、ノンストップで聞いて3時間50分は長い。ただ自分としてはビートルズの音楽はもうあって当たり前のものなので、倍ぐらいは全然余裕で行けるかも。誰か……やりませんか全アルバム(無理)
一番新鮮だったのは、他の人たちの感想を聞けることだった。同世代でビートルズの話をできる人、ほぼいないし……。こんなに楽しい会、またぜひやってもらわねばならない。


全て並ぶと壮観である


関連書籍コーナーまで。全部読みたい…。


楽しい夜でした。