別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

240207雑感

カフカの小説を夜に読んだからです。

午前中に所用を済ませたのち、いつかやろうと思って後回しにしていた、今年の出費についての概算を立ててみた。定期を改札にかざすたびに有効期限が表示されていて、否が応でも考えざるを得ない事柄だった。
で、計算してみた結果今年も収入の16%ぐらいの支出がすでに確定していることがわかった。そもそもアルバイトでそこまで収入も大きくないので、できる支出も大したものではないのだが(もしこの金額でまともに生活しようと思ったら、無理だ)、いつも通りによく考えずお金を使ってたら破産してしまう。めちゃくちゃ節制してブックオフに行く回数も控えて間食もせず過ごしたらあわよくばiPhone15を買えるかなー、という感じ。あ、でも文フリ行こうと思ってるから多分無理だ……。16が今年出て型落ちしてくれたらいけるか? みたいなことを悶々と考えていた。年初に立てたはずの「積読を紹介するまで本を買わずの誓い」はとっくに形骸化している。いや待て、健康のためには先にスマートウォッチとかを買ったほうがいいのか?(こういうふうにどんどんお金が減っていくわけである)

新刊本の購入や映画鑑賞、県外での展示や知人との食事など、我慢しなければならないことはたくさんある。(股下20センチのヒートテックが現役レベルという具合で服装には無頓着なので、幸い?にもそこを我慢する苦労はない)
しかしこういうことを考えると毎度「それって本当にしたかったこと? 周りに影響されてるだけじゃない?」という疑問が浮かび上がってきて、混乱して何もわからなくなってしまう。そして勢いで、欲しいけど実はそんなに使い所のないものなんかを買ってしまうわけだ。消費って怖い。

そんなふうにお金のことを考えるとどんどん辛くなっていくけれど、今日はそれに加えて深い孤独感にも苛まれる日だった。周囲の人たちから「あいつは無口で気持ち悪いし、なるべく関わりたくない」みたいに思われているんじゃないかという被害妄想ばかりが飛び回っていた。そんな子どものいじめみたいな露骨で陰湿なことをする大人がいないとはわかっているはずなのに、当時の根深い記憶がどこかにこびりついてしまっているのだろうか、今でもそういう怖さを感じてしまうことがある。
そこにきてカフカの『変身』を読んでしまったわけである。あの、だんだん「いらないもの」扱いされていくグレーゴルの感じる疎外感……。『変身』って勝手に「虫になって家族にも気付かれず殺される話」とかだと思ってたんだけれど、そんな表面的なものじゃない類の怖さだった。シュールなんだけれどやっぱり怖い。人間って怖い。

辛い話ばかり書いてきたので、ちょっと良かったことも書いておく。
今日発売の文學界、書店に求めに行ったら「雪の影響で入荷は明日になる」と書かれていた。すなわち、執行猶予が発生したわけである。——これはもう、「次号発売前に読み切れよお前」ってことだなと思って、頑張って読んだ。というか、目を通した。
文學界2月号はなんかすごい評論が難しくって、ドゥルーズとか江藤淳とか全然何言ってるのかわからないし、こんなん無理やろ!って根をあげそうになるんだけれど、「難しいから読めないとか言うけど、そもそもあなた簡単な文章だって読めてるんですか?」という新連載に瞬殺されました。
ある時代までは、若い人もこういう難しい評論に必死でしがみついていたから「知性」は守られていたのかもしれない。などと空っぽの頭で思うのであった。それにしても最近の読めなさ具合は結構ひどいのだが……。

結局ネガティブに終わってしまった。