さて、今月もやってまいりました。「文チャレ」こと「文芸誌を一年間読んでみるチャレンジ」の報告(兼励まし合い)会。
第二回となる今回は、ZOOMでのオンライン開催。ひたすら文芸誌のことだけを話す濃密な1時間半の様子をご紹介します。
クレイジーなチャレンジについてはこちら
himasogai.hateblo.jp
群像・Sさん
- 工藤あゆみさんのイラストがかわいい
- 平山周吉さん「天皇機関説タイフーン」の連載が始まった。美濃部達吉とその周辺についての話。当時の大学教授達の絡みなどが面白おかしく書かれていて興味深い
- 伊藤春奈さん「ふたり暮らしの〈女性〉史」に五代藍子さん(朝ドラの五代友厚の娘)という方が出てきて、三重の話だったので驚いた
- 特集「死について、」はあまりピンと来ず
- 町田康さんの「口訳 太平記 ラブ&ピース 外道ジョンレノンを根絶せよ」も、こんなこと書いてるわけねーだろ!ってところがたくさんあって最高だった。「おいしい牛乳はおいしいに決まっている。だっておいしいと書いてある」というのがすごく町田さんぽくて良かった
- ジョン・レノンはまだ出てこない
- 諏訪部浩一さんのチャンドラー講義は、チャンドラーの生涯を説明している連載だけれど、すごく面白く書いてあって好き
S-Fマガジン(4月号)・文學界(1月号)Lさん
- 文學界の「ビブリオ・オープン・ダイアローグ」を読んで、理想やイメージを押し付けられるスナフキンに申し訳ないなと感じた
- キャラに託して語ることで、客観視できる仕組みがいいなと思った。芸名を使う芸能人やSNSのアカウントと同じ。キャラクターに託すことで読み物としても成立していたのが新鮮な驚き
- アカウントを持つというのは自己防衛でありつつ、こうありたいというイメージで使い分ける感じなのかなと思った
- アカウントをたくさん使い分ける人は、それぞれに社会が発生するわけだから大変そう
- 「ジャニーズの感触――むしろ芸能スキャンダルとして」は推しに関わる話なので読みたい
- S-Fマガジンはまだ発売直後なのであまり読めていないが、「BLとSF」という好きなテーマだったのでありがたかった。捗る
- 榎田尤利さんの作品は、暴力が忌避された世界でのアンドロイドとの関わりを描いていて、SFとBLがちゃんと両立していた
- 竹田人造 さんの作品も面白い。一般人と富豪とコミュニケーションAIとの三角関係
- 沼にハマったきっかけの作家さんインタビューがあって懐かしかった
- 次号は三体の特集で、未読なので大変そう
ユリイカ(3月臨時増刊号)・文學界(2月号) わてくし
- どうしても気になってユリイカも買ってしまった(まだ未読)
- 「朝のリレー」を小説に埋め込んだ作品など、気になり
- 装丁が矢萩多聞さんでおしゃれ
- 文學界はカフカ特集。不条理には苦手意識があって未読だったけれど、カフカの魅力が伝わってきた
- いとうせいこうさんの「カフカは突っ込みながら読め」みたいな話が面白かった
- 〈哲学入門〉読書会には非常に耳痛な言葉があった
- 読み切りは「海岸通り」が色々考えさせられた。ちょっとやるせない終わり方だけれど、すごく現実的。作者の坂崎さんがTwitterにあげているAIイラストがかわいい
- 初っ端が「大転生時代」という転生モノで驚いた。とてもSF
今回はビブリオオープンダイアローグの流れで平野啓一郎さんの「分人」の話が出て、それが群像の連載(「メタバース現象学」)ともつながったりして面白かった。
「なんでコロコロ名義が変わるんですか?」と尋ねられて、名前が自分にしっくりこなくなるかな〜? などと考えた。これだけで一記事書けそうなテーマだ。
次回、3月の定例報告会は「本の会」にて開催します。
3/31 13:00〜16:00
だいぶ遅れましたが、2/11は #本の会 でした(笑)。ありがとうございました。
— ソントン (@sontooooon) 2024年2月19日
次回は3/31(日)、時間が昼の【13:00〜16:00】です。
会場は変わらず久居ひびうた(@hibiuta2015 )、参加費に500円頂戴します。
楽しく平和にやりましょう。よろしくお願いしまーす! pic.twitter.com/HL61VpcSUn