別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

240415雑感

今までの人生で、何度「リセット」を発動してきただろうか。
小学校から中学校、中学から高校、そして大学、専門学校……。色々な節目を迎えるたびにそれまでの友人とは疎遠になり、「幼馴染」はおろか、高校時代の友人で今も連絡が取れるのは一人。大学に至っては逃げるように退学したこともあって、もう誰とも繋がりがない。なので今までの人生で同窓会に出たことが一度もない。(成人式にも行かなかったし)

そういう人生を歩んできたものだから、自分にとって「過去」とは、できれば思い出したくない黒歴史だったりする。もちろんいい思い出もあるはずなのだが、そういったノスタルジーに浸ろうとすると必ず「よくない思い出」も一緒に掘り出されてしまう。それが嫌だったからか、いつの間にか過去を一切省みない人間になっていた。

なぜこんな話を書くのかというと、昨日の読書会で「昔のことをどれぐらい覚えてる?」という話になったからだ。集まったメンバーはそれなりに過去の思い出を語ることができる中、私は「ほとんど覚えていない」と言うことしかできなかった。だがこれまでの話を踏まえた上でより正確にいうと、「思い出したくない」だったのかもしれない。

通勤中、岐阜駅本の市でお隣になったえこさんから直接買った『ノースポール』というZINEを読んでいた。文芸誌がひと段落して、疲れも溜まっていて、何か短いものを読みたい気分だった。
『ノースポール』の初めには「私の父の話」というエッセイが収録されている。ご自身と父親の、幼少期から大人になってまでの思い出が、えこさんの冷静でありつつも優しい文体で綴られている。コッペパンが好きだった父。新しい物好きだった父。義母と言い合いながらも、甲斐甲斐しく支えようとしていた父。
偶然知り合った人の、会ったこともない父親にこんなにも親しみを感じてしまう。
それはやっぱり、えこさん自身が幼少期の思い出を大切にして、留めておこうと思われているからなのではないかと思う。

bambi-eco1020.hatenablog.com

自分もいつか、誰かとの時間を大切にできる日が来るだろうか。忘れておきたくない記憶に出会えるだろうか。