別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

親指とフェンダー・ローズ

一般的に「クリスマスの夜」といえばイブの24日からクリスマス当日、25日にかけての一夜のことを言うようである。じゃあこのクリスマス当日から翌26日にかけての夜のことは何と呼べばいいのか。クリスマスと年末の間のなんてことない夜なのか。クリスマス自体は今日なのに、「もう終わった」ムードが漂うこの夜は不遇である。そんなことを考えながら部室的…いやもう部室でいいや。部室へ行った。

ところで、「カリンバ」をご存知だろうか。木の箱に長さの異なる金属棒の鍵盤を取り付け、それを指で弾いて音を鳴らす楽器だ。その演奏方法から「親指ピアノ」とも呼ばれるこの楽器。音色はオルゴールのような暖かく優しい音である。
昨年末、出稼ぎで愛媛にいた際に立ち寄った楽器店で、このカリンバを見つけてしまったのだ。音が綺麗、持ち運びが楽、そして何よりデザインが可愛らしいこの楽器。ついつい私は下宿にカリンバを連れ帰ってしまった。
私が買ったカリンバには簡単な譜面集がついており、その中でも特に音色とマッチした楽曲が「きよしこの夜」だった。そこからクリスマスが近づくまでとっても練習したこの曲なのだが、クリスマスが終わるとともに練習も演奏もすっかり止まってしまった。そうこうしているうちにまたこの季節が巡ってきたというわけである。クリスマスにだけ演奏する楽器と化しているカリンバを手に取る季節が……。

ということで今日もまたカリンバで遊んでいると、音色がフェンダー・ローズっぽいよね、という話になった。「フェンダー・ローズ」をご存知だろうか。電子ピアノの元祖とも言われるこの楽器は、鍵盤を弾くとハンマーが音叉を叩き、その音をアンプで増幅させるという仕組みである。こちらもまた柔らかく丸っこい音色が素敵な楽器である(歪ませたゴリゴリの音色もとても合うのだが)。そんなフェンダー・ローズの代名詞とも言える、深いトレモロをかけたぐわんぐわんな音色。カリンバの裏の穴を開けたり塞いだりしたときになる音が、本当にこのローズの音に似ているのだ。

さて、ローズの話をしたならば、当然チック・コリアの話をしなければならない。チック・コリアをご存知だろうか? ジャズの帝王マイルス・デイヴィスのグループでプレイした有名ジャズピアニスト。そんなチック・コリアの代名詞的サウンドがこのローズ・ピアノなのである。チック・コリアの名が出たところで、今度は「カリンバでスペインできたりするんかな〜」という話になった。スペインとは言わずもがな、チック・コリアの代表曲である。


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いや弾けへんやろ。と冷静になって思ったが、普通にカリンバでジャズやってる人もいるっぽいので(というか当のチック・コリア自身がカリンバとコラボ演奏してた)、いつかやってみやがる人が現れるのかもしれない。誰か人間やめてください。
ちなみに今日一緒に遊んでた方は、チック・コリアだと“La Fiesta”がすごく好きとのことである。一緒に聴いて盛り上がった。カスタネット、えっぐいな。

そんな感じで音楽談義に話が咲いた夜だった。音楽の話をするのは楽しい。聞くのも楽しい。
音楽を聴きつつ話す「音楽の会」というイベントが定期的に開催されているけれど、もっとみんなの音楽話を聴いてみたいなあ。周りに結構ニッチな音楽が好きな人がちょいちょいいる気がするので、そういう話をもっと聞きたいです。