別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

240311雑感

確か、トイレに入っていたと思う。
受験を終えてものすごく脱力していた春先。ずっと家でゴロゴロしていて、将来的に自分はニートにしかなれないんじゃないかなんて考えている矢先に、震災が起こった。
あの頃はまだスマホが普及し始めたばかりで、高校に入って買ってもらったのはガラケーだった。ただ、iPod Touchは持っていたので、それでTwitterを延々と眺めていた。
情報がすごい速度で流れていた。どこどこでこんな被害があった。誰々が行方不明。電車が止まって、停電が発生して、そして津波が来た。
世間は一瞬で自粛ムードに包まれて、テレビからはAC以外のコマーシャルが消えた。地震速報が鳴り続けて、街が津波に飲み込まれる映像が何度も何度も繰り返された。

自分が覚えている「あの日」というのは、大体こんな感じだ。直接的な被害を受けたわけでもないし、親戚や知人もいなかったので、遠いどこかの国の出来事のようにぼんやりとニュースを眺めていた。
震災では、2万2200人以上もの人たちが亡くなられたり行方不明になっている。それは単なる数字の問題ではなくて、実際そこで一つ一つの命が失われたということである。毎年この時期に流れるニュースを「季節的なこと」と流してしまっていると、そういうことをどんどん忘れていってしまう。

体験していない、体験しても忘れてしまっていることに、どう向き合えばいいのか。全然わからないけれど、今の自分にできることがあるとすれば、「読む」ことなのかもしれない。圧倒的な自然に対して、不条理な社会に対して、非人道的な行いに対して。情報の中でかき消されてしまうような、リアルな一つ一つの声を、読んで聴くこと。
自分から歩み寄らないと、そういう声が届いてくることはないだろう。だから、読む。読んでいきたいと思う。