別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

240401雑感

新年度が今年もやってくる。桜舞う電車に飛び乗る。
文學界四月号をぎゅうぎゅうに詰め込んで
さあ、Let's Go!

春ですね。
家から職場までの道程に桜があんまりないもんだから、実感がなかったけれど、
職場から少し歩いたところには桜が咲いていた。
こんな暖かかったら咲くよなあ。

五年前の春。緊張と興奮を抱えながらの初出勤の日、公演に咲いている桜を撮った。
一年ももたなかったその仕事についてはあまり思い出したくないのだが(そんな思い出ばっかりだ)
桜を撮るとどうしても連想してしまう。
別にだから春や桜が嫌いというわけでもないのだが、かといってすごく良い思い出があるわけでもなく、
じゃあやっぱ辛いのかもしれない。うん。世間が春という季節にもつ、(社会的な)スタートみたいなイメージは、あまり好きじゃない。

とは言いつつ、正月と新年度というのは何かをリセットするのにはちょうど良い機会かもしれないとは思う。
かれこれ数ヶ月やっていなかった朝のラジオ体操と、短めの散歩を久々にやった。

以前にも書いたかもしれないが、このルーチンをするかしないかで一日のパフォーマンスがかなり変わってくる(パフォーマンスって言葉も好きじゃないけど)。
何より「寝過ごしてしまった」という罪悪感を抱かないでいいのが、いい。

もう一つ、今年度はピアノと読書という部分を軸にやっていきたいと思っている。キーボードを買ったとか、読書会や一箱古本市などに出る機会が増えたとかもある、けれど大きな理由として、今年は色々出費が嵩みそうだから……。お金のかからない娯楽をやっていきたい。

昨日の読書会で、やっぱり日々の読書メモをどっかに書いておくのは大事だなと思ったので、まとまりはないけど文學界四月号のことも書いておく。
「まだ半分も読めてない」ということは覚えていたけれど、実際に確認したらめっちゃ序盤で辛い。あと5日で五月号出るんですが(新人賞の載っている号なので楽しみ)。それに図書館本もある。やべえよやべえ。

四月号の序盤は短編がたくさん載っているが、今日は沼田真佑『三脚の椅子』・井戸川射子『並ぶ連なり歩み』を読む。前者は日常の気掛かりなことが不思議とリンクしているような作品で、読んでいてちょっと不安になった。部長は本当に猫になったのか、それとも……。休日に「猫が戻るご利益があるお稲荷さま」に参拝に行くシーンが印象的。
井戸川さんの作品は言葉選びがとても独特である。ストーリー的には仮装行列が山越え海越え歩いていく(いや、海は超えてないが)というだけなのだが、その仮装と言うのが、犬を運ぶ「犬持ち」、全身を苔で覆った「苔貼り」、あえて何の動物か特定せず四つ這いになっている「獣真似」などなど、まあ普通に思いつくような仮装じゃない。そんな面々が行列を作って野山をゆくイメージは結構ファンタジーなのだが、一方で話したり考えている内容はそれぞれの日常生活や仕事のことだったりして、シュールだ。登場人物たちのプロフィールはかなり省かれていて、性別や年齢もはっきりとは語られないのだが(そもそもみんな全身を覆うような仮装でかなり匿名になっている)、やりとりや行動から少しずつ人物像が垣間見えるのが面白い。

そんな感じで、流石に文芸誌に載る短編は癖つよつよだ。私はリテラシーが低いので、その背後に込められた意味とか文学論とかは全然わからない。だから表面的なイメージでしか読めないけれど、どの作品も不思議な余韻(ちょっとモヤモヤした)を残して終わっていく感じがする。

これでようやく短編ゾーンは終わったので、あとは連載とエッセイと九州芸術文学賞受賞作とその他諸々だけだ。だけ?
今ペラペラとめくっていて、トゥルーイズム読書会のページに円グラフとかリストがたくさん入っているのが見えて戦慄した。やばい。課題本、やばい。

今年度も追われる一年になりそうです。