別に書くほどじゃないけど…

ツイート以上、フリペ未満の雑文帖

240413雑感

残業とか色々で疲れたし遅くなったので、取り急ぎ感想だけメモっておく。
『成瀬は信じた道をいく』を読了。カバーイラストの成瀬、キリッとしてるんだけど愛嬌があって好き。
第二章の「成瀬慶彦の憂鬱」はサイトで公開されているので事前に読んでいたけれど、このキャラで「憂鬱」っていうとやっぱり某団長を思い出してしまう自分……。
ただ成瀬の場合、団長とは違って変だけど割と常識人で、周りを巻き込むけれどみんなから愛されている。そこが安心して読める要因だと思われる。(前にも書いたっけ?)

今作も色々な人物視点で描かれる「成瀬あかり史」であるが、時系列は割とバラバラ。『天下』の最初が中二設定で、ちょうどそこで西武が閉店しているので2020年である。で、今回の一番「新しい」話では成瀬が大学一年生になって年越しているので、2026年。未来なんだ。
書かれた時点では開業してなかった北陸新幹線が開業してたり、我々の時代に追いついて追い越していくのが面白い。(そしてこの方式で行ったり来たりすれば、中間エピソードをどんどん増やしていける。賢い。)

今作で新たに登場した人物は、成瀬に憧れすぎて弟子入りする小学生、成瀬とともに観光大使を務める現代っ子インフルエンサー、京大生YouTuber、クレーマー主婦……などなど、書いていると一癖二癖ありそうなのだが、みんなめっちゃ優しい。純文学の影響(?)で、登場人物の本心にめちゃくちゃ疑心暗鬼になっている今の自分には暖かすぎる。
この優しさ、昔読んでいた児童小説とかを思い出す。泣きそう。
ただ先述のように視点人物は子どもから大人まで幅広いので、必ずしも「こども向け」ってわけでもない。みんな誰かしらに共感できる部分があると思う。だから人気なのだろう。

そして、島崎である。離れ離れになってしまっても、最後はやっぱり成瀬&島崎で締めるところ。読者が求めているものをちゃんと届けてくれる。宮島さん優しすぎる。

この作品、たぶんコミック展開はされるんじゃないかな。一話完結で少しずつ繋がる、という構成はとても漫画化しやすそうだ。キャラも立ってるし。
映像化だと、時系列は整えられそうだなあと思う。ただ島崎が途中退場するところがどう扱われるか。引越しを無かったことに…というのはやっぱり違うし。

そして何よりも小説の次巻が楽しみ。タイトルはなんだろなあ。成瀬は……世界を変えていく?(ついに膳所から世界へ!?)