この土日は一箱古本市に出店した。正確には「一箱」とは謳っていないのでこの記述は間違っているかもしれないが、「一般参加者が屋外で本を売るイベント」というとやはり一箱古本市のイメージがあるので、とりあえず一箱古本市ということで進めさせていただく。
今回は都市部での開催ということもあり、今まで参加した中で(といっても今年の5月に初参加してから3回目に過ぎないのだが)一番規模が大きかった。以前の古本市でスペースを大胆に余らせてしまったことや、絞り過ぎて全然売れなかったことを大いに反省したわたくし。この度お知り合いの一箱店主さんたちにお声がけし、コラボで出店させていただく形となった。
1日目。夕寝さんとのコラボ。
2日目。Bridgebookserviceさんとのコラボ。
結果から言うとこの作戦は大正解だった。今までの古本市と比べ物にならないぐらいの人通りがあった今回。開始の11時から途切れなくお客さんが訪れる状態で、一人だと休憩を取ったり席を外すことはほぼできなかっただろう。
それだけでなく、初日の夕寝さんは謎に各種キャッシュレス決済に対応しており、私の本もPayPayやWAON!で購入できるシステムに組み込んでいただいた。
こちら側から見るキャッシュレス決済に感慨を覚えてしまう。
また、二日目のBridgeさんには恒例の「ブックジ」(100円の文庫ガチャ)でコラボさせていただき、私が用意した『暇と退屈の倫理学』が見事お客さんの元へ旅立っていった。
(暇倫布教おじさんなので、毎回どこかに紛れ込ませている)
何より一番助かったのは、どちらの箱主さんも積極的にお客さんとコミュニケーションを取っていくスタイルの方で、コミュ障の自分だけでは到底できなかった「お客さんと本談義で盛り上がる」ことを実現してくださったことだ。
そしてそれができるのは、かなり多くの本を読まれていて、基本的に「読み終わった本を販売する」というスタイルの皆様だからだろう。
一方の自分はといえば、積読は多いものの「読み終わった本」は極端に少ない。故に一箱古本市に出店する際は「仕入れ」が必要になってくる。そこが問題なのである。普通にやると金銭的に結構な赤字になるし、読んでいない本はお客さんにおすすめもしにくい。これを続けていると「楽しさ」より「しんどさ」の方にバランスが傾いていってしまうのが目に見えている。そして今回ぐらいがちょうどその境目な気がする。
考えてみると、「一箱古本市」というのは理にかなったシステムだったのかもしれない。
自分は本当に「一箱」だった頃の、ストイックな一箱古本市のことを実際に目にしたことはない。しかし「一箱」というのは制限であるとともに、あらゆる人の参加障壁を下げる役割もあったのかもしれない。今、一箱という言葉は割と形骸化しているようだ。5箱とか6箱とか、場合によっては箱なんてレベルじゃない本棚や面陳や平台を展開しているお店もある。もちろん買う側としてはより多くの本が見られて楽しいのだが、出展者側としてはちょっと全体的なハードルが高いような気もしてしまう。出店するからには、本を手に取ってほしい。しかし、ディスプレイにこだわりたくさん本を揃えたお店の中にあって、シンプルで小さなお店はどうしても弱くなってしまう。これを覆すには相当コンセプトを固めるか、厳選して内容を洗練させるか、ディスプレイをめちゃくちゃオシャレにするとかしないといけないだろう。そんなの初心者にはハードルが高すぎる。
場所の運要素もかなり大きいだろう。
とまあそれっぽいことをいくら述べたところで自分がいい本をたくさん買って読んでないのが悪いだけなのだが、次はそういう原点回帰的な一箱古本市に参加してみたいなあと思っている。
今回の大いなる反省点。スペースをめいっぱいに使ってしまったこと。平面で低くやるなら問題ないのだが、高さが出ると外に出られなくなって結果的にお隣さんにご迷惑をおかけしてしまった。本当すみませんでした。
https://twitter.com/yoms__/status/1726181757651943710
YOMSさんのこのポストには禿同。読む楽しみと売る楽しみって別だよね。自分のやり方は後者に重みがきている。
どうせなら全部味わえるのが一番いいんじゃないかなと思う。
2日目お昼に食べたパスタがめちゃくちゃ美味しかった。そしてGRめっちゃきれいに撮れるな。。